星のお姫さま 33
二人は電車に乗った。
ストーカーの男も隣の車両に乗ってきた。
サユリとマキはシートに座って、あえて普通に振舞っていた。
会話が聞かれているとは思えないが、会話の内容もいつもの
ように話をしていた。
サユリが気づかれないようにストーカーの男に視線をやると、
男は携帯電話を見るふりをしながらこちらを伺っているのが分
かった。
サユリとマキも普通に振舞ってはいたが、次第に怖くなってきた
。
電車の中で襲われたりはしないと思うが、他人に尾行されるよ
うな事は誰だっていい気分はしない。
店の最寄駅までの時間がすごく長いものに感じた。
サユリは駅で降りた時に、すぐに送迎用の車に乗れるように電
車の中から店に電話をした。
到着時間を告げるとその時間に送迎があるようだ。
「よかったね。マキちゃん。すぐに迎えがくるってさ」
サユリは笑顔で言ったがマキは少し震えている様子だった。
「どうしたの?マキちゃん?」
「アイツが指名してきたらどうしよう?」 マキは明らかに怖がっ
ている。
「店の中でなにかあったらすぐボーイを呼べばいいよ」とサユリ
が言った。
ソープランドの部屋にはインターホンが設置されている。
コンパニオンはそのインターホンでボーイに連絡できるようにな
っている。
サユリはマキの恐怖心をとってあげようと必死だった。
しかし、マキの震えが止まらないうちに無常にも電車は駅に着
いた。
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