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2007年6月25日 (月)

星のお姫さま 26

メールはももからのメールだった。

サユリは少しがっかりしてメールを見た。

『お疲れ。これから帰るけど、何か買っていく?』

ももは、このようなメールをサユリや花梨によく送ってくる。

サユリはももへ返信をした。

『ありがと。大丈夫だよ』

「ももちゃんも、仕事終わったみたいね」

そう言いながら、サユリは携帯をテーブルに置いた。

「まったく、のん気ね。ももちゃんは」 花梨が少しふてくされた

感じで言った。

「知らないもん。仕方ないよ」 ももをフォローするようにサユリ

は言った。

サユリにはマキが仕事を休む理由が全く分からなかった。

前の日もいつものように普通に別れたし、何か悩み事がある

話も聞いた事がない。ましてや当欠の日に花梨が新宿で見か

けたなんて・・・。

「サユリちゃ~ん、明日休みでしょ?マキちゃんの家に行って

みれば?」

「ん~。明日も美由紀と会う約束してるんだよね・・・」

「そっか・・・。まぁ電話やメールくらいしたら?」

「そうだね。それくらいはしてみるよ」

さすがに今の深夜の時間に電話をかけるのは気がひける。

“明日電話してみよう”とサユリは思った。

「ちょっと今日は疲れた。先にシャワー浴びていい?」

サユリは花梨にそう言った。

「いいわよ。今日はもう寝たほうがいいわ。明日に備えて」

「ありがと。じゃあ、先に休ませてもらうわ。ももちゃんにもそう

言っておいて」

サユリはシャワーを浴びてから、ベットに入った。

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2007年6月18日 (月)

星のお姫さま 25

サユリは自宅マンションに着いたが、部屋の電気は消えてい

た。

花梨はまだ帰って来ていないようだ。

サユリは鍵を開け、部屋に入った。

タクシーに乗っていた時もマキからのメールも電話も一切な

かった。

花梨が新宿で見たのがマキであれば、サユリはものすごく不

安だった。

仕事で疲れて当欠したくらいならメールの返信くらいあっても

おかしくはないと思うのだが、それすらない。

なにか絶対理由があるとサユリは思った。

ほどなくして花梨が帰ってきた。

「サユリちゃ~ん。早かったね」

「おかえり。タクシーで急いでもらったからね」

花梨もサユリも着替えもせずに、リビングのソファーに座っ

ていた。

「花梨が見たの間違いなくマキちゃんだった?」

「ん~。声かけなかったし、確認したわけじゃないから確実

とは言えないけど多分、そうだったと思うわ」

「花梨が見かけた時間くらいに私メールしてるのよ。なのに

返信ないし。なんか腑に落ちないっていうか・・・」

「確かに元気はなさそうだったけどね」

サユリはマキの事を本当の妹のように可愛がっていたので

本心から心配していた。

その時、サユリの携帯にメールがきた。

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2007年6月11日 (月)

星のお姫さま 24

サユリが待機室に戻るたびに携帯電話を確認しても、マキから

のメールや着信は一切なかった。

サユリは“何かあったのかしら?”と思った。

結局、仕事中にメールの返信すらこないままこの日の仕事は

終わった。

サユリは「お疲れ様でした」とボーイに挨拶をし、店を後にした

いつものように国道まで歩いている途中にもう一回メールを送

ってみた。

『何かあったの?心配だよ。連絡待ってるね』

メールを送信してからほどなくしてタクシーに乗り込んだ。

いつものように「池袋。西武」と行き先を告げ、窓の外を眺めて

いると、サユリの携帯電話が鳴った。

“マキちゃん?”と思ったが、花梨からの電話だった。

サユリは一瞬がっかりして電話に出た。

「もしもし。お疲れ。ど~したの?」

「サユリちゃ~ん!お疲れちん。今、大丈夫?」

「うん。タクシーで帰っている途中だから」

「あのね・・・。余計な事だけど、今日マキちゃん仕事に来てた

?」

サユリは嫌な予感がした。

「今日は休んでたよ。当欠で」 サユリは心の中で“絶対何かあ

る”と思いながらそう言った。

その言葉を聞いた花梨が「やっぱり~。私、マキちゃんっぽい

人新宿で見かけたわよ」

「えっ?本当に?」

「うん。なんか元気ない感じで歩いていたわ。声かけづらかった

もん」

「何時くらい?」

「えっとね~。私が最初の客を見送った後だから・・・10時くらい

かしらね~」

10時と言えば、サユリが最初に店からメールを送った時間とほ

ぼ変わらない。

「花梨!今何処?」

「私もタクシーよ」

「帰ったら詳しく話聞くわ」

「うん。わかった。じゃあ後でね」

サユリは電話を切って「運転手さん、少し急いで下さい」と言

った。

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2007年6月 4日 (月)

星のお姫さま 23

サユリはいつものように、電車に乗っていた。

サユリとマキはいつも遅番で出勤時間が同じなので電車で会

う事がよくあった。

しかし、この日は会わなかったのだ。

サユリは“マキちゃん、違う電車に乗っているんだな”と思って

いた。

サユリは駅に着いていつものように電話をして送迎用の車に

乗って店に着いた。

店に着くとボーイと挨拶をかわし、待機室に向かった。

待機室の入り口に、コンパニオンの出勤を表す札がある。

札には赤い文字でコンパニオンの名前が書いてあり、出勤し

たらその札を裏返す。そうすると黒い文字で同じ名前が書かれ

ていて、ボーイ達や店の全ての人がそれを見れば出欠が分か

るようになっているのだ。

サユリもいつものように札を裏返した。

マキの札は赤い文字のままだった。

“今日は遅いな”と心の中でサユリは思った。

そして、いつものように仕事が始まった。マキの姿はまだ見て

いなかった。

サユリが合間に待機室に戻っても、マキの札は赤い文字のま

まだった。

少し気になったサユリはボーイに「今日マキちゃんは?」と聞い

てみた。

するとボーイは「当欠です」と答えた。

当欠とは当日欠勤の事で、ここ星のお姫さまでは罰金が科せ

られる。

「当欠・・・。なにかあったのかな?」

「さぁ、連絡なしだからわかんないっす」

「そっか・・・」

サユリが知っている限りマキが当欠した話は聞いた事がなか

った。

“今日に限って何故・・・”とサユリは思った。

とりあえずメールだけしてみようと思い、待機中にメールを送

った。

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