星のお姫さま⑱
サユリは初めて来た店なのに、すっかりと馴染んだ自分がいる
事に気がついた。
麗と花梨の気さくな性格のおかげかもしれない。
カウンターでゆっくりとビールを飲みながら、花梨と色々な事を
しゃべっていた。
しばらくすると店のドアが開いた。
前髪を濡らしながら、若い女性が入ってきた。
「あら、ももちゃんいらっしゃい」 花梨がそう声をかけた。
サユリと花梨とももが初めて会った瞬間だ。
「ど~したの?ももちゃん。元気ないわね」
花梨の問いかけに全く反応がない。
無視というよりは、耳に言葉が届いていない感じだった。
ももはサユリの隣へ座った。
「はい。お疲れ様」
そういって花梨は、ウイスキーの水割りを差し出した。
ももはビアド・プリンセスの常連で麗や花梨、他のホステスも
皆知っている。
ももは店に入って一言も話さないで、水割りに口をつけた。
サユリは、ももと呼ばれている若い女性がここの常連である
事はすぐに分かったが、今のテンションが普段どおりなのか
否かは分からなかった。
花梨もいつもと違うももの様子に、ただ見守るしかなかった。
ももは水割りのグラスを半分位飲んで、タバコに火をつけた。
そして、いきなり泣きだした。
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