星のお姫さま⑧
サユリは電車に乗っていた。
サユリは遅番の出勤の為、電車に乗るのは15時頃だった。
数多い風俗の中でソープランドを選んだのは、衛生面が一番
しっかりしていそうだったのでサユリはソープ嬢をやっている。
サユリの働いている店“星のお姫様”では月一回のHIVの検
査をやっていて、陽性の場合は店をクビになってしまうのだ。
そんなリスクを犯してでも、サユリには風俗で働く理由がある。
全ては娘の美由紀の為だ。
別れた夫からは一切の慰謝料を拒否した。
慰謝料に縛られて、関係を保つのが嫌だったのである。
別れた理由が夫によるDVのせいもあって顔も見たくなかっ
た。
しかし、娘には両親が離婚した事で嫌な思いをさせたくない。
その為に1千万円貯めるという目標を立てて、この世界に踏
み込んだのだった。
その目標にももうすぐ手が届きそうな位になっていた。
電車から窓の外の景色を見ていると、色々な事を思い出す。
今までの事やこれからの事・・・。
サユリは深いため息をついた。
その時、後ろから肩を叩かれた。
「おはようございます」
サユリと一緒に働いているマキだった。
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